AZU通信61号「帽子を作ろう4」

今現在のファッションの主流が「カジュアル、シンプル、ベーシック」なのは間違いないでしょう。ただカジュアルでも「ラフでルーズな手抜きの部屋着」のような様相だと、私の世代以上はおおよそ素敵には見えません。洋服というだけあって欧米人の顔立ち・スタイルに合わせての服です。これを顔つきも体型も子供っぽい私がカジュアルそのままを着てもお洒落には程遠い、ただの「ラフな部屋着のオバサン」になってしまいます。

「ドレス(ビジネスやパーティーのような礼装)」と「カジュアル(リラックスしたスタイル)」の間に位置するファッション、多少の緊張感と余裕を併せもった「タウンウエア(デイタイムウエア、街着)」という単語と意識が広まれば、ファッションのバリエーションもずいぶん違ってくると、これは常々考えていることです。

カジュアルという単語には達が日常使っている「気軽な」という意味だけではなく。「無頓着」という細かいところに注意を払わないようなニュアンスも含まれます。ファッションにおいてのカジュアルをこういう視点で見れば、カジュアルウエアの捉え方も変わってくることでしょう。
カジュアルを否定するわけではありません。が、ご婦人がカジュアルだけでお洒落に見せるには萬田久子さんのような素晴らしいスタイルと身のこなしが必用になるかと。
しかしそうはいかない以上、服のコーディネートでバランスをとらないと。そう、カジュアルにドレスライクなアイテムを加えれば大人っぽく綺麗に見える。私はそこを「帽子」というアイテムで提案していきたいと思っています。

野村あずさ

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