スベリとビンカワ

IMG_0024帽子をひっくり返すと黒い(ことが多い)リボンみたいなのがぐるりと縫い付けてあります…私は「サイズリボン」と言ってる代物。高級品だとグログランリポンを使っていたり、一般的にはテトロンだったり。こんなものでも最後に帽子のサイズを決める大事なパーツです。

売り場に立っていると「サイズ」が合わないばかりに気に入った帽子を諦めるお客さまが想像より多くいらっしゃることがわかります。その解消に最近は「サイズ調整機能付き」のものを使うことが多くなりました。「1点もの」「作家もの」に機能性を求めるのはどうかと悩んだ時もありましたが、でもサイズ調整してぴったりサイズになった帽子を喜んでいただけると「これも有りか」と。

その「サイズ調整機能付き」のものを大阪の問屋さんに注文しました。その際に「サイズリボン」というのは私の師匠の言い方であまり一般的ではないだろうと思い、他で良く使われる「サイズテープ」「スベリ」と言ってお願いしました。送られてきた請求書を見ると「ビンカワ」???私、間違えて注文しちゃったかしら?慌てて調べるとどうも関東ではスベリ、関西ではビンカワと言うらしい。「ビンカワ」って何語!?さらに調べると「ビン=鬢」、「鬢付け油」は聞いたことがあるかもしれませんが「鬢」は頭の左右側面の髪。転じて頭の周囲という意味合いになったのでしょうか。そしてカワは以前は革を使っていたための名残らしい。アメリカだとスウェットバンド=汗取り環状帯か。地味だけど大事なパーツ、そのわりには規格としてきまった呼び名はないところがやっぱり地味。

野村あずさ

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