石田倉庫アートな二日間が終わりました

今年も石田倉庫のイベントが盛況のうちに終わりました。入場者は二日間で1500人、楽しみにして下さっている方々が本当に多いイベントだと改めて感じます。老若男女と幅広い来場者がたっぷり時間をかけてイベントを楽しんでいるのもこの会場を豊かさのひとつ。
参加して数年は帽子を並べている「だけ」だった気がします。が、ここ何年かは少しずつお客さまの反応が良くなってまいりました。ようやく覚えてもらえたからなのか、ジオラマ帽子で「これでもか!」と主張しているからなのかは不明ですが、帽子が好きな方はもちろんそうでもない方も「展示のひとつ」として見て下さるのは百貨店でのイベントではあまりないことなのは確かです。

「自分の表現でコミュニケーションしたい」のは表現者の誰もが思うことです。「これどう?」という投げかけに「素敵ですね!」との反応があった時の喜びはひとしおです。曲がりなりにも価値観を共有できたということですから。
絵を描いたり布を染めたりしてきて、私の場合は今はそれが帽子。
商売として成り立たないとその次の制作が出来ませんし、家族もお腹を空かせますからそこはしっかりしないといけないところです。しかし「帽子を作る目的=お金を稼ぐ」だけではないと思えているうちは、帽子でいろんなことをしたいと望んでいます。

今回はこのようなチャート表を展示してみました。文字ばかりです。果たしてこんなずらずら書いたものを読んで下さるかしら?と自身半信半疑でしたが、意外と目を留めてもらえたのは嬉しいことでした。
ご興味ある方はここでどうぞご覧になって下さい。
あなたは「なに層」?

 

 

 

 

 

お友達どうしで「これかしらねー」と言い合ったり、中には帽子屋に「私はこれなのよ」と自己申告される方も。だからといって別にこれが帽子の売上げに繋がるわけではありません。大事なのは帽子がその時のコミュニケーションのキーワードになること。

 

 

ジオラマ帽子も「うわ、すごい!」と見て下さり、写真を撮ってもいいですか?被ってもいいですか?と今年も何人もの方に声をかけてもらえました。

 

 

 

私にとって「帽子でコミュニケーションする」というテーマの、ある意味実証実験的なイベントです。「こういうアプローチをしたらお客さまはどう反応するかな?」と前年の反省を踏まえて試している部分もありますが、幸いにも手応えのある二日間となりました。

 

 

帽子をお求め下さった方の中には「以前マカロン買ってすごく良かった」、「今年で3年連続で
す」という有難いお声も。そのままお買い上げの帽子を被っていかれて、会場内で他の方に「その帽子素敵ですね」「そこに帽子屋さんがあるのよ」とお客さまがお客さまを連れてきて下さったり(まるっきりの他人)。これもコミュニケーションのかたちでしょう。
帽子の隣は版画作家の「魚群を作るワークショップ」、こういう取り合わせも私のいつもの仕事ではないシチュエーションです(百貨店では隣は化粧品やハンカチ、ストールなどの服飾雑貨)。不思議なようで、ここではあたりまえ。
日常にアートやデザインがごく普通にあって、常に美意識が刺激される。そんな素敵な石田倉庫アートな二日間15回目も無事終了。みなさん、どうもありがとうございました。

野村あずさ

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