帽子のファッションショウのこれから

帽子のファッションショウは今回10回目。長く続けられたことは良かったとは思います、継続はなんとやらとも言いますし。しかしそれによっての問題も当然生まれてくるわけで、一番は「マンネリ感」。
ショウは二部構成です。一部は門下生が「ショウのためにそれぞれ作った帽子持ち寄ってショウっぽく構成して」見せています。二部は師匠が毎年テーマを決めてそれに沿って作った帽子を紹介します。
ショウとして一部二部のどちらが充実しているかは言わずもがな。門下生の方はどうしても「楽しい素人の発表会」風、この何年かは「相変わらず感」を抱きつつモデルとして歩くのをとても歯がゆく思っておりました。

思っているだけでは変わりません。来年は11回目、ここで一歩踏み出さないとせっかくのショウがもったいない、と、師匠に提案の手紙を書きました。
「門下生の部もテーマを決めて皆で帽子を作り上げ、起承転結を持って構成した方がショウとしての見応えが出るのではないか。このところマンネリになりがちだったが、ここで新しさを出せばお客さまも喜んで下さるだろう。
テーマは作る私達とお客さまの認識が共有出来るものが相応しいと思う、帽子をご覧になるお客さまも帽子をご覧になりながらさらにイメージを膨らませることが出来るだろう。モチーフや季節を限定するものは制作上の素材を限定するのでそれは避けた方が良いかもしれない。」

そして師匠から電話、「私も同じように思っていましたよ、是非来年は良いショウになるよう取り組みましょう!」
そして研究日には皆の前で「来年の課題」として、私の提案を紹介してくれました。仲間も大いに同調してくれ一安心。私は口数が多いのでそれで失敗することも少なくないのですが今回は言い出しっぺになって良かった。

学生の頃から数多く発表の機会を経験しています。ノリで始めたものの一回で終わってしまったり、続けても惰性になってしまったような個展などなど。
いま現在継続しているイベントのひとつがこのショウ。しかしひとえに師匠がいてこそのイベントで、その師匠も来年は90歳。後で「ああすれば良かった、こうすれば良かった」という時間はあまりないという心づもりで、来年は今までよりグレードアップした帽子のショウをご覧いただくべく準備をしてまいります。

写真はショウのバックステージ、ショウの順番に並べた帽子がズラリ。朝の9時半から2時間かけてリハーサルがありました。

野村あずさ

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