舞台帽子の誕生秘話
三越札幌店において、飾ってあったショーの帽子を眺めていた男性がいらっしゃいました。しばらく見ていて姿が見えなったと思ったら、少しして女性と二人でまた現れました。帽子をお求めになるにはちょっと雰囲気が違う。「?」と思っていたところ日本舞踊をされている方で、なんとこの私に「舞台の帽子」のお願いがありました。「お会いして30分も経っていないのにいいんですか???」「世界感がイメージにぴったりです、是非。」お申し出を有難くお受けして話は進み、いよいよ制作に入ることになります。
先方からいただいたイメージワードは「明治維新、鹿鳴館、舞踏会、貴婦人」、そしてラフスケッチはこれ。具体的な舞台演出と衣装のイメージが先方の頭の中にあるのは非常に有難いものです。すぐに材料調達が出来ました。イメージに合わせて実物ラフイメージを。お送りしたこの写真のお返事を待って制作に入ります。実際に踊りながら被るので、被りの深さや重さのバランスは非常に難しいところですが、そこは私の想像と経験を総動員して作りましょう。
なによりデコラティブな帽子は大好きなのでひとつだけしか作れないのがつまらない、100個くらい仕事がこないものかしら。