スナップボタンハット

スナップボタンハットの帽子が出来上がり、お披露目は帽子のショーになりました。控え室でこの帽子を見た師匠のアトリエの仲間の評判は、私の想像以上に良いものでした。意外にも。というのもこの帽子はコンセプトありきで制作したもの、正円のパターンを優先させたために帽子としてのシルエットや被り心地は必ずしも洗練されたものにはなっていません。もちろん皆は「平面⇄立体」のアイデアに感嘆すると同時に、「被っても面白い、メンズなんかいいんじゃない?」…そんなコメントをもらえたのは嬉しいことでした。

ショーのコメントにも盛り込みましたが、催事の際にお客さまから伺う「たためる帽子はないかしら、帽子は脱ぐとかさ張って邪魔なのよね、帽子は収納に困るわ」という「帽子は迷惑千万極まりない」イメージをどうにか払拭したく、少々意固地なところも盛り込みつつもそれらに対する「今の」私なりの解答と提案がこの形となりました。「平面⇄立体」の自由な行き来が最大の特徴です。
出来立てのこの帽子、これからいろんな場面で大勢の方々に見てもらう機会を作ってまいります。実験的なこの帽子にどんな感想を下さるのか、どんな評価をされるのか。
まだ荒削りなところがあるのは否めません。お客さまのいろんな言葉がヤスリとなって、私も気が付かないところへ昇華されることでしょう。楽しみです。

野村あずさ

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