マカロンクロシェ 2017 winter ジャカード

今年のマカロンクロシェはラグジュアリーな素材でもご用意しております。このマカロンクロシェをパッと見たお客さまの中には「帯地ですか?」と尋ねる方もいらっしゃいました。あぁ、言われてみれば確かにそう見えますね。
輸入生地を扱うお店で見た瞬間「綺麗だ!」と目を奪われたこれはイタリア製ジャカード。帯地やゴブランのような複雑で美しい模様が魅力ですが、大きく異なるところは柔らかくしなやかなところ。

マカロンクロシェはつばの形を作るためにどうしてもある程度のハリが必用で、芯地を仕込まなければなりません。つば部分は意外と面積が広いので芯地を張ると堅さと重さが増えるのは仕方がない。ですから厚い生地だとボリュームが出過ぎて格好が良くないこともあり、見た目は素敵でも使いづらい生地もあります。
ところがこのジャカードはそれほど厚くもない。使いやすそう。いいなぁ、素敵。
困ったのは生地も素敵でしたがお値段も素敵だったことで、その時はいったん帰ったもののやはり忘れられず。後日再訪して購入したという生地でした。

織るという方法で模様を生み出すジャカードは、かつてはプリントに比べると色や柄の表現の制限が多い技法でした。今ではコンピューター制御によりその色合や精密さはプリントと見間違えるぐらい高度を増し、写真や絵の様なグラフィックを表現した「フォトジャカード」と呼ばれるものまであります。
だとすれば織るより早く(安く?)出来るプリントでも良さそうなものですが、しかしプリントのフラットな軽快さとは対称に織地の魅力は経糸と緯糸が作り出す微妙な立体感、豊かな触感、いろいろな色糸が複雑に交差し合った深みのある色合い。それが存分に楽しめるイタリア製ジャカードのマカロンクロシェです。
パターンの置き方で色や模様の出方が大きく変わります。色違い2色の生地なのに、写真は全く違う帽子が4個もあるみたいですね。
華やか過ぎるように思えるようですが、全体のトーンが抑えられているので意外と使いやすい。上品でドレッシーに使うのはもちろん、ジーンズなどに合わせていただくのもカッコいいかと。カジュアルアップでもドレスダウンでも重宝して使っていただけるはず。
またアウターを増やすのを躊躇う方は、同じアウターでも帽子でガラッと印象を変えてみるというのは如何でしょうか。
帽子ひとつでこんなに楽しめる、被らない手はありません。

野村あずさ

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