ショウの帽子を作っています
ショウのための最後の帽子を作っています。年末に帽体だけ形づくっていたものに飾り付け。ハンドワークでちょっと面白いつばにしたのがこの写真ではわかりにくいのが残念。
この帽子はまず素材(帽体)があってイメージを膨らませました。ちなみに帽体とは、成型する前の状態の材料のことです。
たぶん5年ほど前から手元にあった白の帽体。直射日光が当たらないようにしていたのにもかかわらず、エッジの部分がわずかに日に焼けてしまっていました。あらら。普通だったら「商品にならない」とお釈迦にするか、でももったいないから日に焼けた部分を切り落として作るかでしょう。でもそれが良い感じの色味に思えて、よし!このまま使おう!
少し枯れたナチュラルな雰囲気にすれば、日に焼けたエッジが生かされて全体が馴染むんじゃないか。イメージがまとまったところであれこれ材料を揃え、ラフィアを巻いてトーンを抑えた造花をあしらって。タイトルは「田園風景」といったところ。(コサージュも自分で作れば完璧なのでしょうが、そこまでやってたら1年がかりになってしまいそう…ショウの帽子なのでそこはスパッと割り切って調達した造花を使っています)
パターンの通りに裁断してパーツを縫い合わせる作業は縫い終わったらそこが最後。あ、仕上げの飾り付けもあるけど。
しかし私が作るショウの帽子は前述の作業とは全く異なり、作り始めた時点ではどこが最後になるのか、そもそもどういう風になるのか具体的な設計図がない限り全くわからない。(私は下書きやスケッチをほとんど描きません)
自分の中のぼんやりしたイメージが目の前で自分の手でどんどん形になって現れていくのは至福の時間でもありますが、フィニッシュはあくまで自身が決めること。ここで終わりにして良いのか、もう少し足すのか、もしくは引くのか。自問自答しながらの制作は絵を描く感じに似ています。
どっさり飾りを付けての作業もそろそろおしまい、今回のショウ用の帽子4点が全て揃います。実はこういう仕事は大大大好きなのでもう終わってしまうのが残念でなりません。