AZU通信66号「自伝3」
文中で触れた、私がガイド活動をしている東京国立近代美術館工芸館。1910(明治43)年に近衛師団司令部庁舎として建てられた明治洋風煉瓦造りの美しい建物は重要文化財に指定されています。来春の金沢移転を前にした最後の夏は「みた?ーこどもからの挑戦状」がテーマ。工芸というと素材・技法・気候風土・歴史など、知識を持った上で鑑賞するものだと大人は身構えてしまいがちですが、そんなことを知らないこどもたちの生き生きとした元気いっぱいの言葉に、むしろ鑑賞はそこからだと教えてもらうような気持ちがします。今回の展覧会概要にもあるようにこどもの言葉は大人の私たちに「(ちゃんと)みた?」と語りかけてくるよう。
ガイドにあたっては事前にかなりの勉強が必要です、その時間があったら帽子がいくつ作れることやら。しかし学び続けることの大切さ、直接的に帽子に反映されずともものつくりとしての姿勢や生き方をガイド活動で得られました。
ものつくりの私がガイドとして作家の作品を紹介する。相反することではありません。良い活動に参加出来ていることを心から感謝しています。