ハンドワークの帽子「夏山」
先日の下処理した帽体のひとつ、落ち着いたモカベージュはアンバランスさを加えたハンドワークの帽子にしました。アースカラーの帽子にナチュラルな素材の飾り。私の中ではこれは一応「夏山」のイメージです。新緑の美しい山々という感じではありませんけれど。
父の若い頃の趣味が夏山登山でした。「あずさ」は山が好きだった父が上高地の梓川にちなんでつけてくれた名前。しかし、縦走登山やロッククライミングもしていたという父がどんな思いで山に登っていたのか、父にとって山の魅力は何だったのか。それはとうとう聞かずじまいでした。
この帽子を作り始める時は「素材」と「手」に集中していたのに、この帽体の色なのかフォルムなのか…何かに記憶のスイッチを押されたようで、いつの間にかそんなことをあれこれ考えながらの制作になってしまいました(結果、このような帽子が出来上がったわけです)。頭の中の様々な思い。帽子はその思いを優しく美しく包みこみ、時に色鮮やかに取り出すことが出来る不思議な記憶装置なのかもしれません。
2018年5月30日(水)〜6月5日(火)
「帽子3人展」
髙島屋日本橋本店1階 イベントスペース
服部スヴェトラーナ、安田由子との3人展
「大人の女性のための上質なエレガンス」を提案致します