サマーツイードとシルクのコンビクロシェ

春先のテキスタイルはなかなか難しいものです。季節を感じさせる軽やかさや華やかさが欲しいと思っても気温は安定せず、三寒四温とはよくぞ言ったものと思わざるを得ません。気温の低い日はあまり薄っぺらい生地では着るものに負けてしまう、かといって冬のモコモコはもう終わりにしたい…と思う人が多かったのかどうか、ここ数年「サマーツイード」と呼ばれる軽快な織地が良く見られるようになりました。

通気性と清涼感が特徴のサマーウールもこの時期の代表選手ですが、気候によっては少し薄く感じられます。そんな時にサマーツイードの素材感だと寒そうには見えませんし、色糸の複雑な織と絡み具合で春らしい華やかさを演出します。

春は秋のアイテムは身に付ける期間が短いのでわざわざ買うのは不経済感があるのでしょうか。「合(あい…寒暑の間のこと)の季節」=春や秋のものはあまり持っていないと言う方も少なくないように感じます。「季節の間」に相応しいサマーツイードは、4月下旬 もしくは5月の涼しい頃まで重宝する厚過ぎず薄過ぎず程よい感触の生地でしょう。そして春に使える素材は残暑が残る「秋口」である9~10月も使えることを付け加えておきます(素材として、であって、色合いはまた別の話です)。

この「春」は少し大人っぽい帽子をご用意いたしました。リボンヤーンも織り込まれたサマーツイードとシルクのコンビクロシェ。まだジャケット等の必用なこの時期に、軽さが感じられながらも程よいボリュームの帽子はバランスが良いはず。年度末・年度始めのお出掛けにも如何でしょうか。

衣服を着ることは季節を着ること。
春秋の過ごしやすい気持ちの良い季節が短くなって夏と冬だけが妙に長くなってきている、そう思わずにはいられない気候に変化しています。それでも春がある限りは帽子もその季節を楽しむお手伝いが出来るはずだと信じて、このような帽子をご提案いたします。

2018年3月3日(土)〜4日(日)
「松坂屋ゴールド会」
松坂屋静岡店 8階大催事場
招待のお客さま向けの展示会に出品します

野村あずさ

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