松坂屋静岡店の85周年ジオラマ帽子・その4


今回のジオラマ帽子について松坂屋静岡店の店長さんとお話をしたとき「いとう丸も入ったら嬉しいですね」。ん?「いとう丸」って何だ?
慌てて調べたら松坂屋の商標ということで、そういうことだったらやはり入れないと。
入れる場所は富士山の麓、コロッセオみたいな旧店舗の屋上部分。全体のバランスにおいてもアイキャッチとしてもそこが一番相応しいと、そこまでは決めていました。最後はこの「いとう丸」を掲げて完成というところで、しかし躊躇して作れない。中央の「藤」の崩し字が上手に作れるかどうか。商標であるならデフォルメは失礼、そこまで正確にするなら出張中の今は作るのは難しいかもしれない、ここは仮納品して後日「いとう丸」だけ送って松坂屋さんのみなさんで帽子に付けてもらおうか。
とにかくジオラマ帽子自体はケジメとしてきっちり納品して帰ろうとの思いは変わらず、催事最終日。
フィニッシュ直前のジオラマ帽子を見たプロモーション担当者さんはとても喜んで下さいました。店長室で贈呈式をしましょうと、店長さんのスケジュールを確認して店長室に伺う時間も決まりました。
これでいいのか?と続く自問自答。このままでは間の抜けたものを置いていくことになってしまいます。やはりここは商標としての正確さは欠くかもしれませんが、私の手で私の「いとう丸」を作って完成させるのが良いのだろう。そう気持ちが固まったところで私史上ハイレベルの集中度での作業になりました。手元にある材料で使えるものを選び、バイヤーさんに用意してもらった「いとう丸」のA3サイズの図柄を前にして、さてどうしよう。たぶんパッと見た時に「いとう丸」だと認識するのは「藤」の字、それなら全体を正確に縮小するよりこの「藤」を少々大きくしよう、そうした方が私も作り易い。
決まったところで一気に小さいハサミで切り抜き、形を整えながら「いとう丸」が出来上がり。帽子に留め付けて「85周年ジオラマ帽子」がようやく完成したのです。

松坂屋静岡店が85歳の誕生日を迎えます。
静岡県を背負って、富士山掲げて、目指せ日本一!
「85周年ジオラマ帽子」のイメージがこうやって形になりました。

納品前に大急ぎで売場で写真を撮って、約束の時間に店長室へ。
今回お世話になった担当の方々の見守る中で店長さんへ無事納品することが出来ました。

松坂屋静岡店さんの節目の年にご縁をいただき「85周年ジオラマ帽子」を作ることが出来たことに、心から感謝致します。
そして私のようなモノ作りがどのような思いでひとつひとつのモノを作り上げるかを少しでもかいま見て下さったなら、今回一連の作業工程をこのブログで紹介した甲斐があったことでしょう。
催事も終わりました。
私の帽子を見て下さり、お求め下さったお客さま。週末の「被り方トーク」を聞いて下さった皆さま。ハロウィンの帽子を被って下さっているお店の皆さま。そしてこのような機会を下さった松坂屋静岡店の皆さま。どうもありがとうございました。またお会い出来ますように。

野村あずさ

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