帽子と人 vol.2 木版画家・井上勝江

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昔々、南青山のギャラリーのスタッフをしていた頃。そのギャラリーで扱っていた作家のお一人が木版画家・井上勝江さん。

ひたすら「白と黒」で花や植物を描き出す井上さん。木版画がこれほどまでにカッコいいものかと思わずにはいられません。84歳の今も精力的に活動されており「休む間もないのよ!」と笑う姿に驚愕します。歳ってなんだろう???
お嬢さまと同じ歳の私のことをとても気にかけて下さり、私の制作が染織から帽子へと移って帽子作家スタートのその時も発表する場を紹介していただいたりしました。本当に長いお付き合いです。
今日は京王プラザホテルロビーギャラリー「井上勝江と仲間たち展」にお邪魔しました。

ご挨拶とお互いの近況を話し「井上さん、私の帽子を被って写真を撮りましょう」
用意していったのはモダンな井上さんだったら絶対被りこなして下さるだろう「つばが蛇腹になる帽子」。ベレーのようなクロシェのような、私の代表作のひとつです。ミニマムかつ被り方でいくらでもデコラティブになる帽子。もちろん井上さんには黒い帽子を。
と、そこで気が付いたのですが「あれ? 井上さんは帽子を被ります?」「被らないわよ、似合わないんだもの。」きっぱり。
ええ!?そんなことありませんよ、こんなにスマートに被ってるのに!
ということで井上勝江さんが帽子を被った、かなり珍しい写真になったに違いありません。

私が一人目の息子を出産して制作も滞りがちだった時、井上さんは私におっしゃいました。「私はね、子育てしてるときが一番仕事したわよ」その言葉のおかげで二人を育てている今、頑張れるのかもしれません。
井上勝江さん、関東医療少年院で40年近くボランティアで版画を教えてもいらっしゃいます。それを別段大変だとも自慢もせず、さらりと続けている。つくづくすごい人だ…
来月には個展も控えているとか。私もカッコ良くエネルギッシュに歳を重ねます!

(2016年9月29日 新宿京王プラザホテル ロビーギャラリーにて)

野村あずさ

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