帽子のファッションショウがあります

カエル年が明けてわくわくと楽しみなのが帽子のファッションショウです。
私が20年近く師事している婦人帽子の第一人者の一人・小林時代(こばやしときよ)と、アトリエで学ぶ門下生(私と同年齢から母親世代かそれ以上のご婦人方がズラリ、ここでも高年化問題が…)の「魅せる」ことを最大の目的とした華やかな帽子を70点近く楽しんでいただく30分ほどのショウ。今回で9回目となりました。
このカエルの帽子は師匠の作品、案内状にも載せたもの。師匠 80代後半ながらこの柔軟な発想とユーモアは足元にも及びません。
もちろん私も。関わっている帽子の仕事の中での最高のパフォーマンスのひとつとして、毎年心躍る思いでショウ用の帽子を作っています。今年も4点を出す予定。門下生はショウの帽子も師匠に指導を仰ぎますが、この3年ほどは私のショウの帽子は師匠の手直しも入らず一発OK。師の指導が全て、というわけではないでしょうが、しかしながらこれは自身が多少でも成長しているだろうことと素直に嬉しく思います。

催事でお客さまに買っていただく最多価格帯の帽子(ここでは商品といいます)と、今回のようなショウの帽子(ここでは便宜上 作品)について考えること。
たぶん私は作品を作る方が好きなのでしょうが、商品と作品の両方を魅力的に作れるのを目標にしています。実際お客さまが買って下さるのは絶対的に商品が多く、材料費と時間を注ぎ込んで「見せるだけの」作品を作るのは道楽と言われても仕方がないかもしれません。商品だけ作っている方が効率は良いはずです。
しかし催事でショウの帽子を飾っていると少なからず目を留めて下さるお客さまがいらっしゃいます。「綺麗ね」「素敵ね」と声をかけて下さったり、なかには「被ってみたい」と言って下さる方も。有難く嬉しいことです。
私の帽子に独自の世界観があるとしたら「カジュアルからショウのような華やかな帽子」という幅かもしれません。お客さまが私の帽子に対して「(普段使いのものもあるけれど)華やかで素敵」というイメージを持って下さり、そこから「いつかああいう(華やかな)帽子を被ってみたい」「私の買った(商品としての)帽子を作ってる人はショウの帽子も作っている」というように思っていただけると嬉しく思います。
いつまでも遊び心とお洒落を楽しみたいという前向きな気持ちお客さまに、私の帽子を被っていただけると幸せです。

肝心の帽子のショウ。
1月30日(土)午後2時半〜
国立新美術館(六本木) 1階展示室1A 平泉展会場内にて
入場無料

帽子のファッションショウはあまりないので珍しいでしょう。師匠 小林時代の解説とともに帽子を楽しんでいただくフロアショウには毎年200人あまりのお客さまに足をお運びいただいております。日本中の帽子好きの皆様、どうぞお越し下さいませ。

野村あずさ

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